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プロジェクト別原価と損益をエクセルで管理する限界と採算把握の実務

プロジェクト別原価と損益をエクセルで管理する限界と採算把握の実務

案件ごとの工数と外注費をエクセルで集計すると、集計漏れや二重入力で実際の粗利が見えなくなり、赤字案件に気づけません。

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プロジェクト別原価と損益をエクセルで管理する限界と採算把握の実務

プロジェクト別損益はエクセルの見積りだけでは追えない

案件ごとの粗利は、見積りと実績を突き合わせて初めて分かります。エクセルの見積りシートだけでは、投下した工数と外注費の実績が見えず判断できません。

プロジェクトの見積りと実績がバラバラに管理されている様子を表す抽象的な概念イラスト 見積りと実績が別々の場所で管理されると、プロジェクト別の採算は見えなくなる

受託開発・システム構築・広告制作・コンサルティングなど、案件ごとに見積りを出して仕事を請けるプロジェクト型ビジネスでは、見積りの積み上げ自体はほとんどの会社がエクセルで対応できています。単価×人日、外注の見込み金額、経費の概算を足し合わせれば見積りは出せます。問題は受注後です。実際に投下した工数、外注に支払った金額、交通費や外部ツール利用料といった直接経費を、プロジェクト単位で実績として集計する仕組みが整っている会社は多くありません。

結果として、見積りはプロジェクトごとに作るのに、実績は月末に「売上−仕入」の会社全体の粗利でしか見ていない、という状態になりがちです。これでは、A社向けの開発案件は儲かっているのにB社向けの改修案件は毎回赤字、といったプロジェクト単位の採算差が見えないまま、次の見積りも同じ感覚で作ることになります。

プロジェクト別損益は「工数原価・外注費・直接経費」の3層で見る

プロジェクト別の採算は、工数原価・外注費・直接経費の3層に分けて集計しないと、どの案件で儲かっているか判断できません。

工数原価・外注費・直接経費の3層からなるプロジェクト別原価の構造を示す図解 プロジェクト別原価は工数原価・外注費・直接経費の3層で捉える

プロジェクトの実際原価は、社内メンバーの投下時間を人件費換算した「工数原価」、外部パートナーやフリーランスへの支払いである「外注費」、交通費や外部ツール利用料・機材費などの「直接経費」の3層に分けて捉えるのが基本です。この3層をプロジェクト単位で集計できて初めて、見積りと実績の差がどこで生まれたかを説明できます。

原価の層内容エクセルでの扱われ方
工数原価社内メンバーの投下時間を人件費換算勤怠・工数入力シートがあっても案件番号に紐付いていないことが多い
外注費外部パートナー・フリーランスへの支払い支払管理表はあるが案件別の集計に反映されにくい
直接経費交通費・外部ツール利用料・機材費など経費精算はあっても案件別原価には計上されないことが多い

多くの現場では、工数原価は勤怠システムや週報に、外注費は経理の支払管理表に、直接経費は経費精算システムにと、3層それぞれが別のツール・別の担当者で管理されています。この分断こそが、プロジェクト別損益をエクセルで正確に出せない最大の要因です。

エクセルで限界が出るメカニズム — 工数入力と外注請求が別シートで生きている

工数を記録する工数入力シートと、外注費を管理する支払管理表が別ファイル・別担当者で動くため、プロジェクト単位の実際原価がどこで膨らんだか追えなくなります。

工数入力シートと外注の支払管理表がプロジェクトコードで紐付かず分断している様子を示すフロー図 表記ゆれのあるプロジェクトコードは、月末の突合作業で同一案件だと機械的に判定できない

私たちが中小企業のプロジェクト型事業(受託開発・システム開発・広告制作・コンサルティングなど)のAI導入相談を受けてきた中で、最も多く見かけるパターンが、この「工数」と「外注費」が別々の場所で管理されている状態です。工数はPM(プロジェクトマネージャー)や各メンバーが週次・月次で勤怠システムやエクセルの工数入力シートに記入し、外注費は経理が請求書を受け取って支払管理表に転記します。両者ともプロジェクト名やコード自体は書かれていても、表記ゆれ(略称・全角半角・年度の付け方の違い)があると、月末に突き合わせようとした時点で同一案件だと機械的に認識できません。

さらに厄介なのが兼任です。1人のメンバーが同じ月に3つのプロジェクトを掛け持ちしていると、その月の工数をどう配分するかは本人の自己申告に頼らざるを得ず、締め日にまとめて「だいたい半々」で入力されるケースが珍しくありません。この粗い按分が積み重なると、プロジェクト別の工数原価は実態から乖離していき、儲かっていたはずの案件の採算が実は薄かった、という事態に気づくのが決算のタイミングまで遅れます。

兼任・外注依存のプロジェクトほど採算がぶれるメカニズム

兼任メンバーの工数按分の粗さと外注費の支払サイトのズレが重なると、月次の粗利だけを見てもプロジェクト単位の実際の採算は把握できません。

外注費は発注から請求、支払いまでにタイムラグが生じます。着手金だけ先に払い、検収後に残金を払う分割払いの案件では、支払いが発生した月とプロジェクトが実際に稼働した月がずれるため、単月の損益だけを見ていると、外注費が計上されていない月の採算が実態より良く見えてしまいます。

兼任と外注依存が重なるプロジェクト、たとえば社内メンバーが他案件と掛け持ちしながら一部工程を外注に出しているような案件は、工数原価も外注費も按分・タイムラグの両方の影響を受けるため、最も採算がぶれやすいパターンになります。プロジェクトの規模が大きくなるほど、このズレの絶対額も大きくなり、経営判断に影響する誤差になっていきます。

対策 — プロジェクトコードを軸に工数・外注費・経費を紐付ける型

対策の起点は集計式の複雑化ではなく、プロジェクトコードを軸に工数入力・外注請求・経費精算の3つを同じキーで紐付ける運用に変えることです。

見積りシート・外注請求書・経費精算がプロジェクトコードという共通キーに集約される様子を示すフロー図 プロジェクトコードをプルダウン必須項目にすると、月末の突合が機械的な作業に変わる

まず、全プロジェクトに一意のプロジェクトコードを発番し、工数入力シート・外注の発注書と請求書・経費精算のいずれにも入力必須項目として組み込みます。表記ゆれを防ぐため、コードはプルダウンから選択する形式にし、自由入力は避けます。これだけで、月末の突合作業は「同じコードの行を集計する」という機械的な作業に変わり、担当者の記憶や勘に頼らずに済むようになります。

次に、外注費は発注時点で「予定額」をプロジェクトの原価見込みに計上し、実際の支払いが確定した時点で「実績額」に差し替える運用にします。こうすることで、支払いのタイムラグがあっても、その時点のプロジェクトの見込み採算を常に把握できます。ここまではエクセルの運用ルール変更で対応できますが、プロジェクト数・兼任者数が増えるほど、コードの入力漏れや按分の手間は運用改善だけでは吸収しきれなくなります。その見極めに迷ったら、無料の経営AI診断で自社のプロジェクト別損益の集計状況を可視化し、どこまでを運用で、どこからをシステム化すべきかを一緒に整理できます。

自社で始める3ステップ — 棚卸しから月次モニタリングまで

採算管理の精度を上げる最短ルートは、直近のプロジェクトを棚卸しし、コード体系を整えてから月次で見込みと実績を突合するルーチンをつくることです。

デスクでノートPCの集計シートを見ながらプロジェクトの棚卸しをしている手元の様子 直近案件の棚卸しから、月次の見込みと実績の突合ルーチンへ

  1. 直近3ヶ月で採算が良かったプロジェクト・悪かったプロジェクトを3件ずつ選び、見積り時の工数・外注費見込みと実績を突き合わせて差異の要因を洗い出す
  2. 全プロジェクトにプロジェクトコードを発番し、工数入力・外注請求・経費精算の3つの入力フォームに必須項目として組み込む
  3. 月次で「見込み」と「実績」をプロジェクトコード単位で突合するルーチンを決め、乖離が大きいプロジェクトだけをPMと経営層でレビューする

この3ステップを回し始めると、どのプロジェクトで採算が薄いのかが具体的な数字で見えるようになります。兼任者や外注が絡むプロジェクトが増えて、エクセルの運用だけでは限界を感じ始めたら、無料の経営AI診断で自社の工数・外注費データに合わせた次の一手を相談できます。

まとめ

プロジェクト別損益の把握は、工数原価・外注費・直接経費の3層をプロジェクトコードで紐付けることが出発点です。エクセルでも型を作れば運用は始められますが、兼任者や外注依存の案件が増えるほど手作業の突合は限界に近づきます。自社のプロジェクト別採算がどこまで運用でカバーできるか判断に迷ったら、初月無料の経営AI診断(通常30万円相当)で工数・外注費の集計状況を可視化し、改善提案までご一緒します。

会議室でPMと経営層がプロジェクト別の集計シートを見ながら打ち合わせをしている場面 乖離の大きいプロジェクトだけをPMと経営層でレビューする月次ルーチン

よくある質問

プロジェクト別の損益管理はエクセルでどこまで対応できますか

同時進行のプロジェクトが数件〜10件程度で、兼任者が少なければ、プロジェクトコードを軸にした工数・外注費の集計シートと月次の突合ルーチンをエクセルで運用できます。兼任者が増え、コードの入力漏れが月に何度も発生し始めると、手作業の突合では追いつかなくなっていきます。

外注費のタイムラグはどう管理すればよいですか

発注時点で予定額をプロジェクトの原価見込みに計上し、支払いが確定した段階で実績額に差し替える2段階の管理にします。分割払いの案件は着手金と残金それぞれのタイミングを見込みに反映しておくと、単月の損益だけを見て採算を誤認するリスクを減らせます。

兼任メンバーの工数按分はどこまで厳密にすべきですか

日次で分単位まで厳密に管理する必要はありませんが、週次で「どのプロジェクトにどれくらいの比重をかけたか」を本人が記録し、月末にまとめて自己申告する運用は誤差が蓄積しやすい方法です。週次記録を積み上げる運用に変えるだけでも精度は大きく改善します。

プロジェクト別採算管理をシステム化する目安のタイミングはいつですか

プロジェクトコードの入力漏れや工数の突合作業が月に数時間を超えて発生し始めたら、エクセルの運用改善だけでは吸収しきれなくなっているサインです。プロジェクト数や兼任者数が増える前に、自社のデータに合わせたシステム化の要否を診断で整理しておくと、後からの移行判断がしやすくなります。

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よくある質問

Q. プロジェクト別の損益管理はエクセルでどこまで対応できますか
A. 同時進行のプロジェクトが数件〜10件程度で、兼任者が少なければ、プロジェクトコードを軸にした工数・外注費の集計シートと月次の突合ルーチンをエクセルで運用できます。兼任者が増え、コードの入力漏れが月に何度も発生し始めると、手作業の突合では追いつかなくなっていきます。
Q. 外注費のタイムラグはどう管理すればよいですか
A. 発注時点で予定額をプロジェクトの原価見込みに計上し、支払いが確定した段階で実績額に差し替える2段階の管理にします。分割払いの案件は着手金と残金それぞれのタイミングを見込みに反映しておくと、単月の損益だけを見て採算を誤認するリスクを減らせます。
Q. 兼任メンバーの工数按分はどこまで厳密にすべきですか
A. 日次で分単位まで厳密に管理する必要はありませんが、週次で「どのプロジェクトにどれくらいの比重をかけたか」を本人が記録し、月末にまとめて自己申告する運用は誤差が蓄積しやすい方法です。週次記録を積み上げる運用に変えるだけでも精度は大きく改善します。
Q. プロジェクト別採算管理をシステム化する目安のタイミングはいつですか
A. プロジェクトコードの入力漏れや工数の突合作業が月に数時間を超えて発生し始めたら、エクセルの運用改善だけでは吸収しきれなくなっているサインです。プロジェクト数や兼任者数が増える前に、自社のデータに合わせたシステム化の要否を診断で整理しておくと、後からの移行判断がしやすくなります。

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