Harry&

業種

製造業の金型管理をエクセルで続ける限界 寿命・修理履歴と設備投資判断の実務

製造業の金型管理をエクセルで続ける限界 寿命・修理履歴と設備投資判断の実務

金型の寿命・修理履歴が担当者の記憶頼みだと、経営側は設備投資の判断材料を持てません。ショット数と修理履歴を1枚の台帳にする実務を解説します。

困りごとをとりあえず聞いてみる

検討段階でも大丈夫です。まずはお気軽にお送りください。

お問い合わせ

製造業の金型管理をエクセルで続ける限界 寿命・修理履歴と設備投資判断の実務

金型の寿命・修理履歴が担当者の記憶頼みだと、経営側は設備投資の判断材料を持てません。ショット数と修理履歴を1枚の台帳にする実務を解説します。

エクセル台帳と金型の断面図、付箋が絡み合う様子を俯瞰で描いた抽象的な概念イラスト 金型管理は「記録」はできても「判断材料」までは残せていないことが多い

金型管理で本当に見えていないもの——ショット数と修理履歴の分断

金型台帳が抱える本当の問題は、記録が無いことではありません。

記録はある。しかしショット数と修理履歴が別々のシートに分かれ、「この金型はあと何回使えて、次に壊れたら修理か更新か」を1つの画面で判断できないことが問題です。

受託開発の現場でプレス加工・金属加工の金型台帳を見せてもらうと、多くの場合「金型マスタ」「生産実績(ショット数)」「修理記録」が別シート、別ファイルに分かれています。

それぞれの記録自体は担当者がきちんと付けているのに、3つを横断して寿命判断をしようとすると、複数シートを開いて手で突き合わせる作業が発生します。

💡 ここがポイント

金型管理の限界は「記録の有無」ではなく「ショット数・修理履歴・寿命目安を1つの判断材料として横断できるか」で決まります。

管理項目台帳で持つべき情報分散しがちな置き場所
ショット数累計使用回数、寿命上限、残回数の目安生産実績シート、日報
修理履歴修理日・症状・対応内容・対応者保全記録シート、担当者のノート
更新判断修理か更新かの判断根拠、次回点検予定担当者の頭の中

金型マスタ・ショット数・修理記録の3つのシートが別々に分散し、線でつながっていない様子を示すインフォグラフィック。日本語ラベルで3項目を正確に表示。ブランド配色を使用。 3つの記録は個別には成立していても、横断されなければ判断材料にならない

「まだ大丈夫」という判断がベテランの勘に依存する理由

金型の寿命判断が属人化するのは、記録の粒度が担当者ごとに違うからです。

ベテランは金型の音や打痕の出方で「そろそろ危ない」を感じ取れます。一方でその感覚は台帳の数字には残らず、本人の頭の中にしかありません。

現場担当

「この金型はまだ大丈夫。音を聞けば分かる」

生産管理

「その判断、Aさんが異動したら誰が引き継ぐんですか」

この会話は、金型管理の現場で繰り返し起きているやり取りです。

ベテランの勘そのものは否定すべきものではありません。問題は、その勘を裏付けるショット数と修理履歴が台帳に構造化されておらず、勘が正しいかどうかを他の人が検証できないことです。結果として、担当者が休んだ日に限って金型トラブルが起き、代わりの人が判断できないという事態が起こります。

ベテラン作業員が金型を手で確認している様子を写実的に描いたビジネスシーン。顔は映さない後ろ姿・手元中心の構図。落ち着いたオフィス・工場の色調。 音や打痕で寿命を判断する感覚は、台帳の数字には残らない

修理履歴の空白が経営者の設備投資判断を止めている

ここまでは現場の作業痛の話ですが、この分断は経営側にも直結する問題です。

修理履歴が担当者の記憶にしか残っていないと、経営者は「どの金型に、いつ、いくら設備投資すべきか」を判断する材料を持てません。

修理を繰り返すたびに部品代・外注修理費・停止時間がかかっているのに、その履歴が1つの金型IDに紐づいて蓄積されていなければ、「この金型は今年何回修理して、来期は更新すべきか」という問いに数字で答えられないからです。

💡 ここがポイント

金型の更新投資を勘で先送りすると、修理費の累積と突発停止による機会損失が、決算書には出にくい形で利益を削り続けます。

現場の「まだ使える」という感覚だけで更新を先送りすると、修理費は少しずつ増え、あるとき突発破損で生産ラインが止まり、納期遅延という目に見える損失として表面化します。逆に言えば、修理履歴がショット数と紐づいて記録されていれば、更新投資の判断は「勘」から「データに基づく計画」に変えられます。

プレス機の前で金型を確認する作業員の後ろ姿を写実的に描いたビジネスシーン。顔は映さない。落ち着いたオフィス・工場の色調 修理履歴の空白は、現場の作業痛であると同時に経営側の設備投資判断の空白でもある

再現性のある金型台帳の型——6項目で寿命と修理履歴を1枚にする

金型管理システムを入れなくても、台帳の設計を変えるだけで判断材料は作れます。再現性のある型は次の6項目です。

💡 金型台帳の6項目

金型ID/累計ショット数/寿命上限の目安/直近修理日・症状・対応内容/修理回数の累計/次回点検予定日。この6列を1つのシートに集約し、金型IDをキーにショット数と修理履歴を必ず紐づけます。

「金型ID/累計ショット数/寿命上限/直近修理日・症状・対応内容/修理回数累計/次回点検予定日」の6列が並ぶ台帳構成をシンプルな表形式インフォグラフィックで示す。日本語ラベルを正確に表示。ブランド配色を使用。 6列を1つのシートに集約するだけで、修理か更新かの判断材料が揃う

この型に沿って台帳を組み替えると、「この金型は寿命上限の何%まで来ていて、直近半年で何回修理しているか」を1画面で確認できるようになります。修理回数が増えている金型ほど更新を検討すべき候補として自然に浮かび上がるため、判断がベテラン個人の感覚に依存しなくなります。

同様に台帳を整理した現場では、突き合わせにかかっていた時間が減り、修理か更新かの判断を会議の場で共有できるようになる傾向があります。数字はあくまで自社の運用実態によって変わるため、正確な効果は自社の台帳を棚卸ししてみないと分かりません。無料の経営AI診断では、この棚卸しから一緒に行っています。

今日から始められる3ステップ

台帳を組み替えるにあたって、優先順位をつけるなら次の3ステップです。

  1. 金型マスタとショット数、修理記録を1つのシートに統合する——金型IDをキーに、分散した3つの記録を紐づけ直します
  2. 修理記録の項目を定型化する——「修理完了」の一言で終わらせず、症状・対応内容・次回確認ポイントを必須列にします
  3. 寿命上限に対する残り比率を関数で自動計算する——累計ショット数÷寿命上限を常時表示し、担当者の勘に頼らず数字で危険度を可視化します

「マスタ統合」「修理記録の定型化」「残り比率の自動計算」の3ステップを矢印でつないだシンプルなインフォグラフィック。日本語ラベルを正確に表示。ブランド配色を使用。 3ステップはいずれもエクセルのままで今日から着手できる

これらはエクセルのままでも今日から始められる改善です。ただし複数拠点・複数プレス機をまたぐ運用になると、入力の同期や自動計測の連携までは表計算の延長線上では手が届かなくなります。自社の金型管理がどの段階にあるか判断に迷ったら、初月無料の経営AI診断(通常30万円相当)で運用実態を可視化するところから始めてみてください。

まとめ

金型管理がエクセルで行き詰まるのは、記録が無いからではなく、ショット数・修理履歴・寿命判断が1つの台帳として横断できていないからです。まずは6項目の型で1つのシートに統合し、修理記録を定型化するところから始めてください。それでも設備投資の判断がベテランの勘に依存し続けるなら、システム化を含めた次の一手を検討するタイミングです。

よくある質問

金型のショット数はエクセルで自動集計できますか?

生産実績を別システムから取り込める環境なら関数やピボットで自動集計できます。ただし現場でショット数を都度手入力している場合、入力そのものが遅れる・漏れるという問題は残ります。関数を工夫しても入力起点の遅れは解消できないため、根本対策には計測データの自動連携が必要になります。

金型を修理するか更新するか、判断の目安はありますか?

累計ショット数が寿命目安の8割を超え、かつ直近1年の修理回数が増えている金型は、更新を前提に投資計画へ組み込む段階に来ています。逆に修理履歴が単発で寿命にまだ余裕があるなら、延命の判断でよいはずです。判断の前提となるのは台帳に残る履歴の量と質であり、履歴が薄いほど判断は勘に寄っていきます。

金型台帳をエクセルからシステムに移行する目安は?

月次の棚卸しや修理履歴の突き合わせに数時間以上かかる、担当者しか金型の状態を把握できていない、ショット数超過による突発破損が実際に起きた——このいずれかに心当たりがあれば検討時期です。金型の点数そのものより、台帳を維持する人手の負担で判断するのが実務的です。

小規模な町工場でも金型のショット数・修理履歴管理は必要ですか?

金型の本数が少ないうちは紙やエクセルの簡易台帳でも十分機能します。必要になるのは、複数のプレス機・複数の金型を並行して回すようになり、担当者の記憶だけでは寿命と修理履歴を追いきれなくなった時点です。規模の大小より、金型の点数と担当者数のバランスで判断してください。

関連記事

業界別 AI活用事例集の表紙
無料
Download

業界別 AI活用事例集

導入事例・進め方・導入効果を1冊にまとめました。貴社の業界に近いヒントが見つかります。

  • 業界別の導入事例
  • 失敗しない進め方
  • 導入効果の目安

「効果を確かめてから」進めます

Harry& は、いきなり本開発の見積もりから入りません。まず ①経営AI診断(現状の棚卸し)→ ②お試し開発(PoC) で効果を実際に確かめ、③納得いただいてから本開発 に進みます。①②は無料、本開発は着手時に通常契約です。

よくある質問

Q. 金型のショット数はエクセルで自動集計できますか?
A. 生産実績を別システムから取り込める環境なら関数やピボットで自動集計できます。ただし現場でショット数を都度手入力している場合、入力そのものが遅れる・漏れるという問題は残ります。関数を工夫しても入力起点の遅れは解消できないため、根本対策には計測データの自動連携が必要になります。
Q. 金型を修理するか更新するか、判断の目安はありますか?
A. 累計ショット数が寿命目安の8割を超え、かつ直近1年の修理回数が増えている金型は、更新を前提に投資計画へ組み込む段階に来ています。逆に修理履歴が単発で寿命にまだ余裕があるなら、延命の判断でよいはずです。判断の前提となるのは台帳に残る履歴の量と質であり、履歴が薄いほど判断は勘に寄っていきます。
Q. 金型台帳をエクセルからシステムに移行する目安は?
A. 月次の棚卸しや修理履歴の突き合わせに数時間以上かかる、担当者しか金型の状態を把握できていない、ショット数超過による突発破損が実際に起きた——このいずれかに心当たりがあれば検討時期です。金型の点数そのものより、台帳を維持する人手の負担で判断するのが実務的です。
Q. 小規模な町工場でも金型のショット数・修理履歴管理は必要ですか?
A. 金型の本数が少ないうちは紙やエクセルの簡易台帳でも十分機能します。必要になるのは、複数のプレス機・複数の金型を並行して回すようになり、担当者の記憶だけでは寿命と修理履歴を追いきれなくなった時点です。規模の大小より、金型の点数と担当者数のバランスで判断してください。

ここで解決しない疑問は、
直接お問い合わせください。

お問い合わせ

あわせて読みたい

この記事をシェア

この一歩が貴社の未来を
大きく変えます。

Harry& 佐々木
無料・オンライン

具体的な事例の話を聞いてみたい

貴社の状況に近い事例をもとに、オンラインでお話しします。30分・その場で日程調整もできます。

業界別 AI活用事例集の表紙
無料

業界別 AI活用事例集

導入事例・進め方・導入効果を1冊にまとめました。

資料を受け取る
無料資料

業界別 AI活用事例

導入事例・進め方・導入効果を1冊にまとめました。貴社の業界に近いヒントが見つかります。

資料をダウンロード
気軽に質問

まず聞いてみる

お問い合わせ
Harry& 佐々木
無料・オンライン

事例の話を聞く

オンライン30分面談
困りごとをとりあえず聞いてみる