
2026年7月時点、製造業が使える補助金は3系統。ものづくり補助金と事業再構築の後継は統合済みで、上限は最大9,000万円まで動きます。
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目次
製造業の補助金まとめ2026 設備投資と省力化の対象・上限を解説
製造業が使える補助金の全体像(2026年7月時点)
2026年7月時点で製造業が使える補助金は、大きく3系統です。「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」(ものづくり補助金と事業再構築補助金の後継が統合済み)、中小企業省力化投資補助金、デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)。上限額は数百万円から、新事業進出枠など一部の枠で最大9,000万円まで幅があり(枠・制度によって異なります)、公募回ごとに条件が変わります。
製造業が使える補助金2026 全体像
「ものづくり補助金」と「事業再構築補助金の後継」は2026年6月29日付ですでに1つの制度に統合されています。
3系統の補助上限額・補助率の比較(2026年7月時点)
補助金は年に何度も公募が切られ、そのたびに上限額・補助率・対象要件が改定されます。今回のリサーチで最も大きかった発見は、「ものづくり補助金」と「事業再構築補助金の後継(中小企業新事業進出補助金)」が、2026年6月29日の第1回公募から「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」という1つの制度に統合されていたことです。旧ものづくり補助金は第23次(2026年5月8日締切)、旧新事業進出補助金は第4回(2026年6月19日締切)でそれぞれ単独制度としての新規受付を終えており、この記事執筆時点(2026年7月)で新規に狙えるのは統合後の制度になります。
まず全体像として、3系統をざっくり分類すると次のようになります。
| 制度 | 主な用途 | 補助上限額の目安 | 補助率の目安 |
|---|---|---|---|
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 設備投資〜新市場進出まで幅広い投資 | 100万〜7,000万円(賃上げ特例で最大9,000万円) | 1/2〜2/3(枠により異なる) |
| 中小企業省力化投資補助金 | 人手不足対策の自動化・省力化投資 | カタログ型500万〜1,000万円/一般型750万〜8,000万円(特例で最大1億円) | 1/2〜最大2/3 |
| デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金) | 業務システム・ソフトウェア導入 | 5万〜450万円 | 1/2〜3/4(小規模は4/5) |
対象者の基本ラインは中小企業基本法の業種別定義に沿います。製造業は資本金3億円以下または従業員300人以下、小規模事業者は従業員20人以下です。この表の金額はあくまでレンジの目安で、賃上げ特例の有無や公募回によって実際の上限は変わるため、狙う枠が決まった時点で該当の公募要領本文を必ず開いてください。
ものづくり補助金と事業再構築の後継は統合済み「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」
旧ものづくり補助金、旧・中小企業新事業進出補助金(事業再構築補助金の後継)は、2026年6月29日の第1回公募から1つの制度に統合されました。
革新的新製品・サービス枠/新事業進出枠/グローバル枠の補助上限額
事業再構築補助金は2025年3月26日締切の第13回で新規受付を終了し、後継として中小企業新事業進出補助金がスタートしていました。一方、ものづくり補助金(正式名称「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」、実施主体は全国中小企業団体中央会)は第23次(2026年5月8日締切)まで単独制度として続いていました。この2つの単独公募は終わり、2026年6月29日から実施主体を中小機構に統一した「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」が第1回公募を開始しています。実施主体は「(旧2制度とは)異なる補助金」と案内していますが、実務上は旧2制度の受け皿として機能する後継制度と捉えて差し支えありません。第1回公募は申請受付が2026年8月31日〜9月30日18時、採択発表は2026年12月頃の見込みです。
統合後の枠構成は3つです。旧ものづくり補助金に近い性格の「革新的新製品・サービス枠」は補助上限750万〜2,500万円(規模別、賃上げ特例適用で850万〜3,500万円)、補助率は中小企業1/2・小規模事業者2/3、下限は100万円です。旧・新事業進出補助金の性格を引き継ぐ「新事業進出枠」は上限2,500万〜7,000万円(特例で3,000万〜9,000万円)、補助率1/2(小規模2/3)、下限750万円。海外展開向けの「グローバル枠」は上限2,500万〜7,000万円(特例で3,000万〜9,000万円)、補助率2/3、下限750万円です。賃上げ特例を受けるには給与支給総額の年平均成長率6.0%以上に加え、事業場内最低賃金を地域別最低賃金より50円以上高い水準にすることが条件になります。すべての枠に共通して、付加価値額の年平均成長率4.0%以上、給与支給総額の年平均成長率3.5%以上という数値要件が課される点は、旧制度よりハードルが上がったと見ていいでしょう。
新事業進出枠を検討する場合は「自社として過去に手掛けたことのない製品・サービス」「既存事業と異なる市場」「新事業の売上高が全体の10%以上」という3要件を満たす必要があり、単純な設備更新であれば革新的新製品・サービス枠の方が要件に合うケースが多くなります。ものづくり補助金でのAI活用を具体的に検討したい場合は、ものづくり補助金でAIを導入する 対象経費と申請のポイントで対象経費の切り分け方を、事業再構築補助金の後継制度を申請代行に相談する視点は事業再構築補助金の申請代行 費用と採択率のリアルで整理しています。いずれも統合前の情報を含むため、申請段階では必ず最新の公募要領で数値を確認してください。
中小企業省力化投資補助金 一般型とカタログ注文型の違い
人手不足の自動化投資が対象で、一般型は個別設計、カタログ注文型はカタログ掲載製品を選ぶだけの簡易型です。
一般型とカタログ注文型の補助上限額・対象の違い
一般型は現場に合わせたオーダーメイドの設備・システム構築が対象で、補助上限額は従業員5人以下750万円(特例1,000万円)、6〜20人1,500万円(2,000万円)、21〜50人3,000万円(4,000万円)、51〜100人5,000万円(6,500万円)、101人以上8,000万円(1億円)です。補助率は中小企業1/2(最低賃金引上げ特例で2/3)、小規模企業者2/3。第7回公募は2026年6月5日に公募要領が公開され、7月1日〜31日が受付期間、採択発表は11月中旬予定です。要件は労働生産性を年平均4.0%以上、給与支給総額を年平均3.5%以上向上させる計画があることです。
カタログ注文型は、中小機構があらかじめ登録した省力化製品のカタログから選び、販売事業者と共同で申請する随時公募型です。2026年3月19日の改定で上限額が引き上げられ、通常額は従業員5人以下200万円→500万円、6〜20人500万円→750万円、21人以上は1,000万円で据え置きです。賃上げ特例を満たした場合の上限額は、改定後で5人以下750万円、6〜20人1,000万円、21人以上1,500万円になります。同じ改定で収益納付(補助金の返還)制度も廃止されています。補助率は1/2以内、要件は労働生産性の年平均3.0%以上向上と一般型よりやや緩やかです。ただし交付決定前に発注・契約した分は対象外になるため、カタログで製品を選んでからも販売事業者経由の招待を待って手続きを進める必要があります。
両型に共通して、医療法人(歯科医業を除く)・介護保険適用事業者・1次産業は原則対象外、みなし大企業も対象外です。現場の実感としては、初めて補助金を使う製造業ほどカタログ注文型を選びがちですが、カタログ製品は用途が汎用的なぶん自社の工程にぴったり合うとは限りません。省力化したい工程が特殊であるほど、手間はかかっても一般型でオーダーメイド設計した方が、結果的に投資対効果が高くなるケースをよく見ます。
デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)でシステムを入れる
2026年度からIT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金2026」に名称が変わり、枠が5類型に再編されました。
通常枠のプロセス数と補助額・補助率の関係
新しい枠構成は、通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型)・インボイス枠(電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠・複数社連携デジタル化・AI導入枠の5つです。製造業が生産管理システムや受発注システムをクラウド化する場合、多くは通常枠の対象になります。通常枠の補助額は、1プロセス以上導入で5万円以上150万円未満、4プロセス以上導入で150万円以上450万円以下。補助率は50万円以下の部分が3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円超〜350万円の部分が2/3以内で、最低賃金近傍で従業員を雇用している事業者はさらに補助率が引き上げられます(要最新公募要領確認)。ハードウェアも対象で、PC・タブレット等は10万円まで補助率1/2、レジ・券売機等は20万円まで1/2です。
この補助金の対象経費は「ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)」が必須で、そこに機能拡張やデータ連携ツール、導入コンサル・研修・保守サポートをオプションで乗せる構造です。単体のExcel運用から生産管理システムやAI搭載の受発注システムへ乗り換える際の初期費用を圧縮する目的では、3系統の中で最も使い勝手がよい制度だと感じます。製造業の採択事例としては生産管理システム(Asprovaのような生産スケジューラ)、AIによる外観検査・品質管理ツール、CAD/CAMソフトなどが業種特化型プロセスとして申請されており、ITツール自体は事前に登録されたものしか対象にならない点は他の3枠と違う特徴です。2025年度からの変更点として、ツール検索でAI機能搭載ツールを絞り込める機能が追加されており、AIをどう業務に組み込むかを決めてからツールを探す製造業には使いやすくなっています。直近では申請3次締切が2026年7月21日17時、4次締切が2026年8月25日17時に設定されています(5次以降は予算残次第で未公表)。IT導入補助金の対象・要件を横断的に押さえたい場合は、中小企業のIT導入補助金2026 対象・要件をまとめて確認も参照してください。
補助金は併用できるか 実務での判断基準
同一経費への重複受給は禁止、目的と経費を明確に分ければ複数制度の並行申請は可能です。
同一経費か別経費かで申請の可否が分かれる
各補助金の公募要領には共通して「補助対象経費の重複」だけでなく「テーマや事業内容が同一・類似する事業への国費の重複支出」も禁止する規定があります。つまり同じ機械装置の見積書を2つの補助金に使い回して両方から受け取ることはできません。一方で、目的と対象経費を分ければ並行申請できる例もあります。
- 製造ラインの設備更新は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、経理・在庫管理システムの導入はデジタル化・AI導入補助金、というようにハードとソフトで経費を分ける
- 中小企業省力化投資補助金には固有の制限があり、過去3年以内に(旧)ものづくり補助金・事業再構築補助金・新事業進出補助金のいずれかで交付決定を合計2回以上受けている場合は申請できません(交付決定前に辞退すれば申請可能)
- 補助金を探すのはミラサポplus、電子申請はGビズIDで認証したjGrantsという役割分担なので、制度ごとに別サイトを探し回る必要はありません
このあたりのルールは公募回ごとに文言が調整されるため、「原則は分ければ並行可能、ただし最新の公募要領とFAQで最終確認」という姿勢で臨むのが安全です。
補助金で入れた設備・システムをAIで活かす設計
補助金は「入れて終わり」になりがちで、採択後の運用設計まで見込んで申請する企業と、そうでない企業で投資対効果に大きな差が出ます。
導入した設備・システムを現場でどう使い続けるかが投資対効果を左右する
受託開発の現場で補助金採択後の相談を受けていると、よくあるパターンが見えてきます。設備やシステムの導入自体は補助金で実現できても、「誰が日常的にデータを見るか」「導入前のExcel運用とどう併存させるか」まで決めずに稼働させ、結果として稼働率が想定の半分程度で頭打ちになる、というものです。省力化投資補助金の交付要件である「労働生産性を年平均4.0%以上向上」も、システムを入れるだけでは達成できず、現場のオペレーションを合わせて変える設計が必要になります。
ここでAIを組み合わせる意味が出てきます。省力化投資補助金で導入した設備のデータを蓄積するだけでなく、そのデータを異常検知や需要予測に使えるようAI側の設計をあらかじめ組み込んでおくと、補助金の交付要件(生産性向上・付加価値額の伸び)と実際の経営効果の両方が満たしやすくなります。逆に言えば、補助金の申請書を書く前の段階で「このシステムをAIでどう活かすか」まで設計できているかどうかが、採択後の投資対効果を左右します。
自社のどの設備投資・システム導入にどの補助金が合うか、そしてAIでどう活かせるかを一度整理したい場合は、初月無料の経営AI診断(通常30万円相当)で現状の業務を可視化し、投資の優先順位を一緒に洗い出せます。補助金の選定自体は専門の申請代行に任せつつ、「入れた後どう活かすか」の設計だけを相談する使い方も可能です。
よくある質問
製造業向けの補助金は複数同時に申請できますか?
同一の経費、または事業内容が同一・類似する投資への重複申請は原則できません。ただし設備投資は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、業務システム導入はデジタル化・AI導入補助金というように対象経費を明確に分ければ、別々の投資として並行申請できる例があります。中小企業省力化投資補助金には過去3年以内にものづくり系補助金の交付決定を合計2回以上受けていると申請できない固有の制限もあるため、複数狙う場合は申請順序も含めて事前に確認してください。
AI導入に使いやすい補助金はどれですか?
現時点では中小企業省力化投資補助金の一般型が最も馴染みます。人手不足対策の自動化投資という制度趣旨がAIによる業務自動化と重なるためです。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の各枠でもAIを組み込んだ設備投資は対象になり得ますが、付加価値額の伸び率など全申請者共通の数値要件を満たせる事業計画になっているかを先に確認してください。
採択率はどのくらいですか?
制度・公募回・年度によって振れ幅が大きく、ここで一律の数字を出すと誤解を招きます。各事務局が公表する採択結果を公募回ごとに確認するのが唯一確実な方法です。一般論として、カタログ注文型のように要件充足チェックが中心の枠は採択率が高めな傾向がある一方、事業計画の優劣を審査する枠は、公募要領の配点通りに書けているかで採択率に明確な差が出ます。
ものづくり補助金と事業再構築補助金の後継制度、今どちらを見ればいいですか?
2026年6月29日から、この2つは「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」という1つの制度に統合されています。設備投資中心なら革新的新製品・サービス枠、新市場への進出が中心なら新事業進出枠かグローバル枠を軸に検討してください。旧ものづくり補助金・旧新事業進出補助金の単独公募はすでに新規受付を終了しているため、これから申請するなら統合後の制度を見る必要があります。
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よくある質問
- Q. 製造業向けの補助金は複数同時に申請できますか?
- A. 同一の経費、または事業内容が同一・類似する投資への重複申請は原則できません。ただし設備投資は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、業務システム導入はデジタル化・AI導入補助金というように対象経費を明確に分ければ、別々の投資として並行申請できる例があります。中小企業省力化投資補助金には過去3年以内にものづくり系補助金の交付決定を合計2回以上受けていると申請できない固有の制限もあるため、複数狙う場合は申請順序も含めて事前に確認してください。
- Q. AI導入に使いやすい補助金はどれですか?
- A. 現時点では中小企業省力化投資補助金の一般型が最も馴染みます。人手不足対策の自動化投資という制度趣旨がAIによる業務自動化と重なるためです。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の各枠でもAIを組み込んだ設備投資は対象になり得ますが、付加価値額の伸び率など全申請者共通の数値要件を満たせる事業計画になっているかを先に確認してください。
- Q. 採択率はどのくらいですか?
- A. 制度・公募回・年度によって振れ幅が大きく、ここで一律の数字を出すと誤解を招きます。各事務局が公表する採択結果を公募回ごとに確認するのが唯一確実な方法です。一般論として、カタログ注文型のように要件充足チェックが中心の枠は採択率が高めな傾向がある一方、事業計画の優劣を審査する枠は、公募要領の配点通りに書けているかで採択率に明確な差が出ます。
- Q. ものづくり補助金と事業再構築補助金の後継制度、今どちらを見ればいいですか?
- A. 2026年6月29日から、この2つは「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」という1つの制度に統合されています。設備投資中心なら革新的新製品・サービス枠、新市場への進出が中心なら新事業進出枠かグローバル枠を軸に検討してください。旧ものづくり補助金・旧新事業進出補助金の単独公募はすでに新規受付を終了しているため、これから申請するなら統合後の制度を見る必要があります。
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