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運送業の燃料費管理と燃費分析をエクセルで行う方法 車両別収益性の見える化

運送業の燃料費管理と燃費分析をエクセルで行う方法 車両別収益性の見える化

燃料費の高さは仕方なくても、車両ごとの燃費差は放置していい話ではありません。給油記録を車両IDで紐づけ車両別・路線別の燃料費効率を見える化する方法を解説します。

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運送業の燃料費管理と燃費分析をエクセルで行う方法 車両別収益性の見える化

燃料費は上がっても下がっても「仕方ない」で済まされがちですが、実は同じ路線・同じ車種でも車両ごとに燃費は大きく違います。給油記録の転記作業をひと工夫するだけで、その差が車両別・路線別の収益性として見えてきます。

給油伝票とハンドル、地図上のルートが絡み合う様子を俯瞰で描いた抽象的な概念イラスト 給油記録は単なる経費精算ではなく、車両別・路線別の収益性を映す一次データになる

多くの運送会社では、燃料カードの明細やドライバーが手書きした給油伝票を、月末に配車担当がまとめてエクセルへ転記しています。

この作業自体は毎月きちんと行われていて、燃料費の合計額は帳簿上ぴたりと合っていることがほとんどです。

問題は、その合計額の中身を車両別・路線別に分解して見ている会社がほとんどいないことです。

「今月の燃料費はいくらだったか」は把握できていても、「どの車両の燃費が悪いのか」「どの路線でコストが膨らんでいるのか」までは、転記した数字を眺めるだけでは見えてきません。

燃料費は「見ている」のに「見えていない」——給油記録という日々の転記作業

給油記録の転記は毎月続けられていても、車両別・路線別に分解されないまま合計額だけが確認されているのが実態です。

配車担当

「燃料費の伝票、今月分もまとめて入力しておきました。合計は先月とだいたい同じです」

経営者

「そうか。ところで、あの車両、最近どこの路線を走ることが多いんだっけ」

配車担当が机の上で給油伝票を一枚ずつエクセルに手入力している後ろ姿の写実的なオフィスシーン 給油伝票の転記は「合計額の確認」で終わってしまいやすい

このやり取りに象徴されるように、給油記録の転記は「経費として合計額を締める作業」として運用されているケースが大半です。

車両ID・走行距離・給油量が同じ帳票の中にすべて揃っているにもかかわらず、それらを掛け合わせて燃費(km/L)を出す一手間が加わっていないだけで、貴重な一次データが「経費精算の記録」で止まってしまいます。

転記そのものに間違いはなくても、この一手間を欠くだけで、車両別・路線別の収益性という経営情報にはたどり着けません。

なぜ車両別・路線別の燃費が「見えない」構造になるのか

💡 ここがポイント

給油伝票と配車実績(走行距離・路線)が別々の帳票で管理されていると、車両IDで突き合わせない限り燃費は自動的には見えてきません。

複数の車両の給油記録と走行距離の帳票がバラバラに積み上がり、車両IDで結びついていない様子を示す抽象的なインフォグラフィック 給油記録と走行実績は別の帳票で管理されがちで、車両IDでの突き合わせが抜けやすい

燃料カードの明細は給油した日付・場所・金額・給油量が中心で、その給油がどの路線・どの案件のためだったかまでは記録されません。

一方、配車表には案件・車両・走行距離は記録されていても、その日その車両が何リットル給油したかは載っていません。

この2つの帳票を車両IDで突き合わせて初めて「その車両がその期間にどれだけ走り、どれだけ給油したか」がわかり、走行距離÷給油量で燃費が計算できます。

多くの現場では、この突き合わせ作業自体が「毎月やるほどの余裕がない」後回しの作業になっており、結果として燃料費の合計額だけが独り歩きします。

燃費のブレが教えてくれること——空ぶかし・不正給油・整備不良のサイン

同じ車種・同じ路線を走っているのに燃費だけが大きく違う車両があれば、それは運転の癖・給油記録のミスや不正・整備状態のいずれかを疑うべきサインです。

実際にご相談をいただいた運送会社では、燃料カードの合計額は毎月ほぼ一致しているのに、車両別に燃費を出してみると特定の1台だけ他の車両と明らかに違う数値が続けて出ていました。原因を配車担当と一緒にたどっていくと、その車両は長時間のアイドリング(空ぶかし)が多い路線を任されがちだったことがわかり、担当ルートの見直しにつながりました。

燃費異常の3つのサイン(空ぶかし・不正給油・整備不良)を示すシンプルなインフォグラフィック 燃費のブレは経費の異常ではなく、現場で起きていることの手がかりになる

燃費が同一路線の他車両より継続的に悪い場合、まず疑うべきは長時間のアイドリングや空ぶかしといった運転の癖です。

逆に燃費が不自然に良すぎる場合や、給油量と走行距離の関係がその場だけ大きく崩れている場合は、給油記録の付け間違い、あるいは記録上の給油量と実際の給油量が一致していない不正のサインである可能性があります。

じわじわと燃費が悪化していく車両は、エンジンやタイヤの整備不良が進行しているサインであることも少なくありません。

いずれのケースも、車両別の燃費という数字を継続的に見ていなければ気づきようがなく、放置すれば燃料費だけでなく事故リスクや修理費にもつながっていきます。

給油量×走行距離×車両IDで燃費を自動算出する再現可能な型

燃費(km/L)= 走行距離(km)÷ 給油量(L)

給油量・走行距離・車両IDを結びつけて燃費を自動算出し異常値をフラグする集計フローを示す図 車両IDという1本の軸で給油記録と走行実績を結びつけるだけで、燃費は自動算出できる

給油記録から燃費を継続的に見える化する型はシンプルで、車両ID・給油日・給油量の記録に、配車表側の走行距離を車両IDと期間で突き合わせて割るだけです。

エクセルであれば、給油記録のシートに車両IDの列を必ず持たせ、配車実績シートの走行距離をSUMIFS関数で該当車両・該当期間分だけ合算し、その値を給油量の合計で割る集計列を作ることで、月次の燃費を自動算出できます。

ここに「路線平均・車両平均から大きく外れた数値には自動で色を付ける」という条件付き書式を1つ加えるだけで、異常値の見落としを防ぐ簡易な仕組みになります。

大掛かりなシステムを入れなくても、車両IDという1本の軸で給油記録と走行実績を結びつけるだけで、燃費は「経費の後追い」から「継続的にモニタリングする経営指標」に変わります。

自社のどの業務にこの仕組みを導入すべきか迷ったら、初月無料の経営AI診断(通常30万円相当)で給油記録の運用を可視化し、優先順位を一緒に整理することもできます。

車両別・路線別の燃料費効率を可視化する具体的な手順

💡 ここがポイント

車両別の燃費が揃ったら、次は路線別に並べ替えることで、車両の癖なのか路線の特性なのかを切り分けられます。

車両別・路線別の燃費一覧をピボットテーブル形式で示すインフォグラフィック 車両軸と路線軸の両方で燃費を並べると、車両の癖と路線の特性を切り分けられる

STEP1として、給油記録シートに車両ID列を追加し、既存の給油伝票の転記フォーマットを変えずに済むようにします。

STEP2として、配車実績シートの走行距離を車両ID・期間でSUMIFS集計し、給油量との突き合わせで月次の車両別燃費列を作ります。

STEP3として、同じデータをピボットテーブルで路線別にも並べ替え、車両別に見えていた燃費の差が特定の路線に集中していないかを確認します。

この3ステップを毎月同じフォーマットで回せるようにしておけば、繁忙期に配車担当が変わっても、燃費の見える化そのものは止まりません。

自社に当てはめる判断基準と次の一歩

経営者

「うちの車両別の燃費、正直これまで一度もまとめて見たことがなかった」

配車担当

「給油伝票は毎月きちんと入力しているので、車両ID列を足すだけならすぐにできそうです」

経営者と配車担当が燃費の一覧表を見ながら話し合っている場面(顔は映さない写実的なオフィスシーン) 車両別燃費の可視化は、大掛かりな投資の前に着手できる小さな一歩になる

車両ごとの燃費を一度もまとめて見たことがない、燃料費の合計額しか把握していない、給油記録と配車実績が別々の帳票で管理されている——このいずれかに当てはまるなら、車両別・路線別の燃料費効率はまだ見えていない状態です。

なお、燃料費だけでなく人件費まで含めた車両別・案件別の採算管理全体を見直したい場合は、記事末の関連記事にある「運送業の車両別・案件別採算管理をエクセルで行う限界と脱却の進め方」で詳しく解説しています。

燃料費という単一のコスト項目からでも、車両ID・走行距離・給油量の3点を結びつけるだけで、経営の空白の一部は着実に埋まっていきます。

自社の給油記録の運用がどの段階にあるか判断に迷ったら、初月無料の経営AI診断(通常30万円相当)で現状を可視化するところから始めてみてください。

まとめ|燃料費は「経費の記録」から「車両別収益性の指標」へ

給油記録の転記は多くの運送会社ですでに毎月行われていますが、車両ID・走行距離・給油量を結びつけて燃費として見ている会社は多くありません。

燃費のブレは空ぶかし・不正給油・整備不良のサインであり、放置すれば燃料費だけでなく事故リスクや修理費にもつながります。

エクセルでも車両IDを軸にSUMIFSで走行距離と給油量を突き合わせれば燃費は自動算出でき、路線別に並べ替えることで車両の癖と路線の特性を切り分けられます。

まずは給油記録に車両ID列を1本追加するところから、車両別・路線別の燃料費効率の見える化を始めてみてください。

自社の燃料費の見え方に迷ったら、初月無料の経営AI診断(通常30万円相当)で社内の給油記録の運用を可視化し、改善提案までご一緒します。

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よくある質問

Q. 給油記録の転記をエクセルで効率化する場合、まず何から手を付ければいいですか?
A. 転記のフォーマットを大きく変える必要はありません。既存の給油記録シートへ車両ID列を1本追加するだけで十分です。給油日・給油量・金額はすでに記録されている会社が大半なので、車両IDさえ紐づけば配車実績の走行距離と突き合わせて燃費を自動算出できるようになります。転記作業そのものを増やさずに始められる範囲です。
Q. 燃費のブレは具体的に何が原因と考えられますか?
A. 同一路線・同一車種なのに燃費だけが継続的に悪い場合は長時間のアイドリングなど運転の癖、逆に不自然な変動がある場合は給油記録の記載ミスや不正給油、じわじわとした悪化はエンジンやタイヤの整備不良の進行が疑われます。いずれも車両別に燃費を継続的に見ていなければ気づけないサインです。
Q. 車両別・路線別の燃料費効率をエクセルで可視化するにはどうすればいいですか?
A. 給油記録シートに車両ID列を追加し、配車実績シートの走行距離をSUMIFS関数で車両・期間ごとに集計して給油量で割れば、車両別の燃費が自動算出できます。同じデータをピボットテーブルで路線別にも並べ替えれば、車両の癖なのか路線の特性なのかを切り分けて見ることができます。
Q. 車両別・案件別の採算管理(人件費含む全体)はこの記事でカバーされますか?
A. この記事は燃料費という単一のコスト項目にフォーカスしており、人件費まで含めた車両別・案件別の採算管理全体は扱っていません。全体の採算管理については別記事「運送業の車両別・案件別採算管理をエクセルで行う限界と脱却の進め方」で詳しく解説していますので、そちらをあわせてご覧ください。

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