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行政書士事務所の許認可申請 進捗管理をエクセルで行う実務と限界

行政書士事務所の許認可申請 進捗管理をエクセルで行う実務と限界

建設業許可・飲食店営業許可・在留資格など許認可の種類が増えるほど、エクセルの進捗管理は書類の抜け漏れから崩れます。実務と対策を整理します。

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行政書士事務所の許認可申請 進捗管理をエクセルで行う実務と限界

建設業許可・飲食店営業許可・在留資格など許認可の種類が増えるほど、エクセルの進捗管理は書類の抜け漏れから崩れます。実務と対策を整理します。

許認可の申請代理は行政書士の主要業務のひとつですが、建設業許可・飲食店営業許可・在留資格関連など、扱う許認可の種類が増えるほど「今どの案件が、どの段階で止まっているか」を把握する管理表は複雑になります。多くの事務所では、この進捗管理をエクセルの案件一覧表で行っています。この記事では、許認可申請案件の進捗・提出書類管理をエクセルでどこまで実務に耐えられるか、種類が増えるとどこから崩れるか、崩れを防ぐための管理表の組み方を整理します。なお本稿では、個別の許認可要件や審査基準の解釈には立ち入らず、事務所内部の案件管理という運用面に絞って解説します。

申請書類のファイルとチェックリスト、付箋が積み重なる様子を俯瞰で描いた抽象的な概念イラスト 複数の許認可種類の案件が同時に管理される様子を象徴するイメージ

許認可の種類が1つなら、エクセルの「申請一覧表」で十分に回る

案件名・許認可種別・受任日・提出予定日・進捗ステータス・担当者を1行1案件で並べる一覧表までは、エクセルで無理なく運用できます。

案件一覧表の6列構成(案件名・許認可種別・受任日・提出予定日・進捗ステータス・担当者)を示す図解 案件管理の土台になる一覧表の列構成

行政書士事務所の案件管理の土台は、案件名(依頼者名)・許認可種別(建設業許可/飲食店営業許可/在留資格関連 等)・受任日・提出予定日・現在の進捗ステータス(受任/書類収集中/提出済/審査中/許可待ち 等)・担当者の6項目程度を1行1案件で並べた一覧表です。実際に、扱う許認可の種類が1つか2つに絞られていて、同時進行の案件数もそれほど多くない事務所であれば、この一覧表だけで「いつ・どの案件が・どの段階にあるか」は十分に把握できています。フィルタや並べ替えで提出予定日が近い順に確認できるので、一覧化の段階でつまずく事務所はそれほど多くありません。

問題はこの一覧表の先です。「書類収集中」という進捗ステータスを眺めているだけでは、その案件で具体的にどの書類が揃っていて、どの書類が足りないのかまでは分かりません。ここから先の「書類単位の充足状況」を管理できるかどうかで、エクセル運用の限界が分かれます。特に、取り扱う許認可の種類が増えてくると、この問題が一気に表面化します。

許認可の種類が増えると、書類チェックリストの違いが管理を崩す

エクセルが崩れ始めるのは、許認可の種類ごとに提出書類の構成がまったく異なるにもかかわらず、進捗ステータスという単一の列で全案件を管理しようとした瞬間です。

建設業許可・飲食店営業許可・在留資格関連で提出書類の取得先パターンが異なることを比較する図解 許認可種別ごとに提出書類の構成・取得先の傾向が異なる構造

建設業許可・飲食店営業許可・在留資格関連の手続きは、それぞれ提出書類の名称も点数も、取得先(依頼者本人が用意するもの、官公署が発行するもの、第三者機関が発行するもの 等)もまったく異なります。同じ「許認可申請」というくくりで一覧表に並べていても、実態は種類ごとに別々のチェックリストを持つ案件が混在している状態です。ところが一覧表の進捗ステータス列は「受任」「書類収集中」「提出済」といった共通の区分しか持てないため、種類ごとの書類構成の違いはこの列には表れません。

この崩れの規模感は、簡単な計算で確認できます。かりに1つの事務所で建設業許可・飲食店営業許可・在留資格関連の3種類を並行して受任し、それぞれ10件ずつ、合計30件が進行中だとします。許認可の種類ごとに提出書類が平均8点あるとすると、案件と書類の組み合わせで本来追跡すべき項目数は30件×8点で240項目になります。この240項目を「進捗ステータス」という1本の列に丸めてしまうと、1件1件の書類の内訳は一覧表からは読み取れなくなります。種類が増えるほど、この「丸められた情報量」と「実際に必要な管理粒度」の差が広がっていきます。

提出書類の抜け漏れが「補正」「追完」という実害になる構造

書類単位の充足状況が見えないまま案件を進めると、不足に気づくのが提出直前や提出後になり、補正や追完のやり取りで審査そのものが長引きやすくなります。

デスクで書類を確認しながら提出直前に不備に気づき手元で慌てて確認している写実的なビジネスシーン 提出直前の確認で書類の不備に気づく典型的な場面

提出書類の過不足に気づくタイミングが遅れると、実務への影響は小さくありません。行政庁への提出後に書類の不備が見つかれば、補正や追完の指示を受けて再提出することになり、審査期間そのものが延びます。依頼者への説明も、当初の見込みから遅れが出るたびに発生します。案件数が少ないうちは個々の担当者の記憶でカバーできていた抜け漏れも、扱う許認可の種類と案件数が増えるほど、記憶だけに頼る管理では防ぎきれなくなります。

私たちが相談を受けた行政書士事務所でも、複数の許認可種類を並行して受任する体制に切り替えたタイミングで、こうした場面に出会いました。ある案件の提出直前確認で、数か月前に取得して「取得済み」のまま進捗欄に記録していた第三者発行の証明書類が、実際には使用期限を迎えていたことに気づいたのです。エクセルの進捗欄には「書類収集中」「提出済」といった段階しか記録されておらず、その書類をいつ取得したものかという情報自体が残っていませんでした。慌てて再取得の依頼をかけ、事なきを得たものの、進捗ステータスという粒度の粗い管理では「取得済みだが後で使えなくなる書類」を捕捉できないことが、このとき明確になりました。

対策 — 案件一覧と提出書類チェックリストを2階層に分ける

対策の起点は、案件一覧シートとは別に許認可種別ごとの「提出書類チェックリスト」シートを持ち、案件行からその充足状況を参照する2階層の構成に変えることです。

案件一覧シートと許認可種別ごとの提出書類チェックリストマスタを紐付ける2階層構成を示す図解 案件一覧と種別別チェックリストを紐付ける2階層の管理構成

具体的には、まず許認可種別ごとに「提出書類マスタ」シートを用意します。列は、書類名・取得先区分(依頼者本人/官公署/第三者機関 等)・有効期限の有無といった、種類ごとの書類構成を一覧できる形にします。次に、案件一覧シート側の各行から対応する種別のマスタを参照し、書類ごとに「未着手/依頼中/取得済/提出済」のチェック欄を持たせます。これで、進捗ステータスという1つの言葉に丸められていた情報が、書類単位の粒度に分解されます。

有効期限がある書類については「取得日」を別列に記録し、一定期間が経過した書類は条件付き書式などで目立たせる運用にしておくと、提出直前の慌てた再取得を防ぎやすくなります。書類ごとの有効期限の長さは提出先や書類の種類によって異なるため、事務所側で一律の日数を決め打ちするのではなく、案件ごと・書類ごとに取得日を記録し、提出予定日との間隔を都度確認する運用にしておくのが実務上の防御線になります。自事務所でこの2階層構成をどう設計すればよいか迷う場合は、初月無料の経営AI診断で現状の案件管理を一緒に可視化しながら整理することもできます。

自事務所の申請管理を立て直す3ステップ

申請管理を立て直す最短ルートは、扱う許認可種別の洗い出し、種別ごとのチェックリスト作成、案件シートとの紐付けの3ステップです。

デスクで案件一覧とチェックリストを見比べながら許認可種別ごとに整理している手元の様子 案件一覧と提出書類チェックリストを見比べながら整理する作業の様子

  1. 現在扱っている許認可の種類をすべて洗い出し、種類ごとの提出書類チェックリストをシートとして言語化する
  2. 案件一覧シートに「許認可種別」の列を追加し、各案件行から対応する種別のチェックリストを参照できるようにする
  3. 有効期限がある書類は取得日を記録する列を設け、提出予定日との間隔が一定より狭まった案件が目立つ運用にする

この3ステップを回すだけでも、許認可の種類が混在していても「今どの書類が足りていないか」が案件ごとに具体的に見えるようになります。取り扱う許認可の種類が増えて一覧表の運用そのものが負担になってきた場合や、担当者交代のたびにチェックリストの引き継ぎが崩れる不安がある場合は、初月無料の経営AI診断で自事務所の案件管理の現状を可視化し、システム化の要否まで含めて整理することができます。

まとめ

建設業許可・飲食店営業許可・在留資格関連など、複数の許認可種類を並行して扱う行政書士事務所の進捗管理は、案件一覧表を作るところまではエクセルで十分に運用できますが、種類ごとに提出書類の構成がまったく異なるため、進捗ステータスという単一の列だけで管理しようとすると書類単位の抜け漏れが起きやすくなります。対策は、案件一覧とは別に許認可種別ごとの提出書類チェックリストを持ち、案件行からその充足状況を参照する2階層の構成に変えることです。まずは現在扱っている許認可の種類を洗い出し、種類ごとのチェックリストを言語化するところから始めてください。

自事務所で扱う許認可の種類が増え、エクセルでの進捗管理に負担を感じ始めたら、初月無料の経営AI診断(通常30万円相当)で案件管理の現状を可視化し、改善提案までご一緒します。

よくある質問

行政書士事務所の案件管理は、エクセルとシステムのどちらを使うべきですか?

目安として、扱う許認可の種類が1〜2種類にとどまり、同時進行の案件数もそれほど多くないなら、エクセルの一覧表で十分に運用できます。許認可の種類が増え、書類単位の抜け漏れが月に一度でも実際に起きるようになったら、システム化を検討する分岐点です。種類数や件数そのものより、進捗ステータスだけでは書類の過不足が追えなくなっているかどうかで判断してください。

許認可の種類が増えると、エクセルの進捗管理はどこから崩れやすいですか?

「受任」「書類収集中」「提出済」といった進捗ステータスの列は、種類ごとに異なる提出書類の構成までは表現できません。案件一覧表だけで管理していると、この列の粗さが書類単位の抜け漏れに気づけない直接の原因になります。案件一覧とは別に、許認可種別ごとの提出書類チェックリストを持たせる2階層の構成に変えることが、崩れを防ぐ起点になります。

提出書類の抜け漏れを防ぐために、エクセルでできる工夫はありますか?

書類の中には発行から一定期間で使用できなくなるものがあります。「取得済み」という記録だけで管理を止めず、書類ごとに取得日を記録し、提出予定日との間隔を都度確認する運用にしておくことが実務上の防御線になります。有効期限の長さは書類や提出先によって異なるため、事務所側で個別に把握しておく必要があります。

エクセルでの案件管理をシステム化する目安のタイミングはいつですか?

扱う許認可の種類が増えて一覧表の目視確認が負担になった、担当者交代のたびにチェックリストの引き継ぎが崩れた、といった兆候が出始めたら、運用改善だけでは吸収しきれなくなっているサインです。案件データの現状を整理した上で、システム化の要否を診断で見極めておくと、後の移行判断がしやすくなります。

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よくある質問

Q. 行政書士事務所の案件管理は、エクセルとシステムのどちらを使うべきですか?
A. 目安として、扱う許認可の種類が1〜2種類にとどまり、同時進行の案件数もそれほど多くないなら、エクセルの一覧表で十分に運用できます。許認可の種類が増え、書類単位の抜け漏れが月に一度でも実際に起きるようになったら、システム化を検討する分岐点です。種類数や件数そのものより、進捗ステータスだけでは書類の過不足が追えなくなっているかどうかで判断してください。
Q. 許認可の種類が増えると、エクセルの進捗管理はどこから崩れやすいですか?
A. 「受任」「書類収集中」「提出済」といった進捗ステータスの列は、種類ごとに異なる提出書類の構成までは表現できません。案件一覧表だけで管理していると、この列の粗さが書類単位の抜け漏れに気づけない直接の原因になります。案件一覧とは別に、許認可種別ごとの提出書類チェックリストを持たせる2階層の構成に変えることが、崩れを防ぐ起点になります。
Q. 提出書類の抜け漏れを防ぐために、エクセルでできる工夫はありますか?
A. 書類の中には発行から一定期間で使用できなくなるものがあります。「取得済み」という記録だけで管理を止めず、書類ごとに取得日を記録し、提出予定日との間隔を都度確認する運用にしておくことが実務上の防御線になります。有効期限の長さは書類や提出先によって異なるため、事務所側で個別に把握しておく必要があります。
Q. エクセルでの案件管理をシステム化する目安のタイミングはいつですか?
A. 扱う許認可の種類が増えて一覧表の目視確認が負担になった、担当者交代のたびにチェックリストの引き継ぎが崩れた、といった兆候が出始めたら、運用改善だけでは吸収しきれなくなっているサインです。案件データの現状を整理した上で、システム化の要否を診断で見極めておくと、後の移行判断がしやすくなります。

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