
顧問先ごとの就業規則・36協定書ドラフト作成にかかる時間を、Claude Codeでどこまで圧縮できるかを具体シーンで示す。最終確認と届出は社労士本人が担う。
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社労士事務所の就業規則・36協定書ドラフトをClaude Codeで支援する具体手順
顧問先ごとの就業規則・36協定書ドラフト作成にかかる時間を、Claude Codeでどこまで圧縮できるかを具体シーンで示す。
最終確認と届出は社労士本人が担う。
図1: 就業規則・36協定書のドラフト作成における、下書き工程と最終確認工程の役割分担イメージ。
顧問先を20社、30社と抱える社労士事務所ほど、就業規則の改定案や36協定書の下書き作成に追われている。
顧問先ごとに従業員数も業種も労働時間制度も違うため、テンプレートをそのまま使い回せない。
条項を1つずつ差し替え、過去の指導履歴と突き合わせ、最新の様式に合わせる作業に、所員の時間の多くが吸われている。
本稿は、この下書き工程にClaude Codeをどう組み込めるかを、具体的な支援シーンで示す。
先に断っておくと、Claude Codeが就業規則や36協定書の作成・届出を代行することはない。
社会保険労務士法が定める独占業務(労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行〈1号業務〉、労働者名簿や賃金台帳などの帳簿書類の作成〈2号業務〉)は、引き続き社労士本人が担う領域であり、本稿で扱うのはその手前にある「下書きの整理・効率化」だけである。
就業規則・36協定書ドラフト作成に事務所がかけている時間
上の式は、当社が支援した社労士事務所2社のヒアリングから概算した、下書き作成だけにかかる年間時間である。
この時間の6割前後は、条項の言い回し確認・過去バージョンとの差分整理・顧問先ごとの変更履歴のとりまとめといった、判断を伴わない転記作業に費やされていた。
残り4割が、顧問先固有の労使協議内容の反映や、条文の最終的な妥当性判断など、社労士本人でなければできない領域だった。
つまり事務所の時間の多くは「判断が要らない部分」に使われている。
ここがClaude Codeで圧縮できる余地になる。
図2: 下書き作成にかかる時間のうち、転記・差分整理などの定型作業が約6割を占める内訳イメージ。
Claude Codeが効くのはドラフトの「差し替え」と「整理」
💡 ここがポイント
Claude Codeが効くのは「判断が要らず・型が決まっていて・量が多い」下書き工程に限られる。
労使協議の内容や条文の最終判断には向かない。
Claude Codeはコード生成のために作られたツールだが、テキストファイルとしての就業規則・36協定書のドラフトも同じように扱える。
既存の就業規則ファイルをリポジトリのように読み込ませ、「この顧問先は変形労働時間制を採用している」「従業員数が50名を超えた」といった条件を伝えると、条項の該当箇所を洗い出し、差し替え案を作成させることができる。
過去の改定履歴をテキストで蓄積しておけば、今回の変更点だけを差分としてまとめさせることも得意だ。
一方で、労働時間の上限設定や特別条項の要件など、法令解釈が絡む部分の最終判断はClaude Codeに任せられない。
出力はあくまで「叩き台」であり、事務所の型に沿っているかを確認し、法令要件との整合を取るのは社労士本人の仕事のままである。
図3: Claude Codeに任せる「差し替え・整理」の工程と、社労士本人が担う「法令解釈・最終判断」の工程を分けたフロー図。
就業規則ドラフト作成での支援シーン
お客様
「顧問先が急に就業規則を全面改定したいと言い出したのですが、テンプレートから作り直すと丸2日かかります」
佐々木
まず既存の就業規則と、今回変更したい項目のリストをClaude Codeに読み込ませてください。
条項ごとの差分案を先に洗い出させると、丸2日の作業が「差分の確認」だけに圧縮できます。
実際の作業手順はこうなる。
まず現行の就業規則をテキスト化してClaude Codeに読み込ませ、「休憩時間を60分から45分に変更したい」「テレワーク規程を新設したい」といった変更希望を箇条書きで渡す。
Claude Codeは該当条項を特定し、変更前後の条文案を並べて提示する。
所員はその差分案を確認しながら、顧問先固有の事情(業種特有の休憩ルール、既存の労使慣行など)を手作業で反映していく。
ここで重要なのは、Claude Codeに「条文を書かせる」のではなく「条文の候補を出させて人が選ぶ」という使い方に徹することだ。
条文をそのまま採用するのではなく、必ず所員と所長が内容を読み直し、顧問先の実情に合っているかを確認してから確定させる。
図4: 現行の就業規則を読み込ませ、変更希望に沿った条文差分案を出させている作業シーンのイメージ。
36協定書ドラフト作成での支援シーン
「毎年同じ様式に、顧問先ごとの数字を打ち直すだけなのに、確認作業に半日かかっていた」——当社が支援した社労士事務所の担当者の声。
36協定書は、就業規則以上に「型」が固定されている書類だ。
毎年更新される様式に、顧問先ごとの延長時間・対象従業員数・有効期間といった項目を差し替えるだけの作業が中心になる。
Claude Codeには、前年の36協定書と今年の様式変更点を渡し、「この様式変更に合わせて前年の内容を移し替える下書きを作って」と指示する使い方が向いている。
複数の顧問先の36協定書をまとめて処理する場合も、各社の従業員数・業種・延長時間の一覧をテキストで渡せば、様式ごとの下書きを一括で並べて出させることができる。
ただし延長時間の上限や特別条項の要件は、労働基準法や関連省令・通達で定められており、年度によって変わることもある。
これらの数値・要件をClaude Codeの記憶に頼って書かせるのは避け、最新の様式・要件は必ず有資格者が公的な情報源で確認したうえで、下書きに反映する運用にする。
図5: 複数の顧問先分の36協定書について、様式変更点をまとめて下書きに反映させている作業シーンのイメージ。
独占業務との境界線とClaude Code精度リスクの管理
⚠️ 必ず確認
Claude Codeの出力は必ず有資格者(社労士)が検証してから使用する。
労働時間の上限や特別条項の要件など、法令に基づく具体的な数値・要件はClaude Codeの記憶だけに頼らず、最新の公的情報源で必ず裏取りする。
ここまで「下書きの効率化」という言葉を繰り返してきたのには理由がある。
社会保険労務士法は、労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成・提出代行(1号業務)と、帳簿書類の作成(2号業務)を社労士の独占業務と定めている。
Claude Codeがこれらを代行することはなく、本稿で扱っているのはあくまでその手前の下書き・整理work-flowに限られる。
最終確認・法的判断・提出は、常に社労士本人が行う。
もう一つの注意点が出力の精度だ。
生成AIは条文の体裁や言い回しを整えるのは得意だが、労働法令の最新の数値要件を正確に記憶し続けているとは限らない。
法改正や通達の更新に追いついていない出力を、確認なく顧問先に渡すと、事務所の信用問題に直結する。
Claude Codeの出力を「叩き台」として扱い、必ず有資格者が中身を検証してから顧問先に渡す、という二段構えの運用を崩さないことが、業務効率化と専門家責任を両立させる唯一の道だ。
図6: Claude Codeが扱う下書き工程と、社労士本人が担う独占業務・最終判断の境界線を示す構造図。
自社に当てはめる3ステップ
お客様
「うちの事務所でも試したいのですが、何から始めればいいですか」
佐々木
いきなり全顧問先に広げず、まず1件の改定案件でお試しください。
効果が見えてから横展開する方が、事務所全体の運用として定着しやすくなります。
進め方は次の3ステップに落とし込める。
ステップ1は、直近で改定予定のある顧問先を1社選び、既存の就業規則または36協定書をテキスト化してClaude Codeに読み込ませる。
ステップ2は、その1件で差分案作成から所員確認・所長確認までの流れを実際に回し、旧来のやり方と比べてどれだけ時間が縮んだかを計測する。
ステップ3は、1件で効果が確認できたら、同じ様式を使う他の顧問先に横展開し、事務所内で「読み込ませ方」「確認の観点」をテンプレート化して共有する。
個人情報の取り扱いや、独占業務との線引きは、横展開する前に事務所内のルールとして文書化しておくと、所員が増えても運用がぶれない。
自社の顧問先構成でどこから着手すべきか判断に迷う場合は、初月無料の経営AI診断(通常30万円相当)で、事務所の業務量マッピングと下書き工程の切り出し方から一緒に整理する進め方も用意している。
図7: 1件の改定案件で試す→効果を計測する→他の顧問先に横展開する、3ステップの導入ロードマップ。
まとめと次の一歩
社労士事務所の就業規則・36協定書ドラフト作成は、時間の6割前後が判断を伴わない転記・差分整理に使われている。
この部分をClaude Codeに任せ、最終確認・法的判断・届出を社労士本人が担う分業を徹底すれば、1件あたり数時間の下書き時間を圧縮しながら、独占業務と専門家責任は損なわない運用が作れる。
まずは1件、直近の改定案件で試してみてほしい。
自社のどの業務からAI化に着手すべきか、個人情報の取り扱いルールをどう設計すべきか迷ったら、初月無料の経営AI診断(通常30万円相当)で事務所の現状を可視化し、下書き工程の切り出しから一緒に整理することもできる。
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「効果を確かめてから」進めます
Harry& は、いきなり本開発の見積もりから入りません。まず ①経営AI診断(現状の棚卸し)→ ②お試し開発(PoC) で効果を実際に確かめ、③納得いただいてから本開発 に進みます。①②は無料、本開発は着手時に通常契約です。
よくある質問
- Q. 社労士事務所がClaude Codeで就業規則ドラフトを作る場合、どこまで任せてよいですか?
- A. 任せてよいのは既存テンプレートへの条項差し替え・条文の言い回し整理・顧問先ごとの変更履歴の整理といった下書き工程までです。就業規則の内容確定や労基署への届出(社会保険労務士法が定める独占業務=申請書等の作成・提出代行、帳簿書類の作成)は、Claude Codeが代行するものではなく、必ず社労士本人が行います。労使協議の助言は独占業務ではありませんが、専門家としての相談対応であり、こちらもClaude Codeに任せず社労士本人が担います。役割分担を最初に事務所内で明文化しておくと運用が安定します。
- Q. Claude Codeで作成した36協定書の下書きは、そのまま届け出に使えますか?
- A. そのままの提出は避けてください。Claude Codeが出す下書きは条文構成やフォーマットの整理までで、上限時間や特別条項の要件など労働基準法に基づく数値・要件は年度や通達で変わることがあります。届出前に必ず有資格者が最新の様式・要件と突き合わせて確認し、内容を確定させたうえで提出する運用にしてください。
- Q. 顧問先の従業員名や給与額をClaude Codeに入力しても問題ないですか?
- A. 氏名・給与額・マイナンバーなどの個人情報は、無料版や学習利用のオプションが不明確なプランにそのまま貼り付けるのは避けてください。学習非利用が明記された契約プランを使う、または「従業員A」のように仮名に置換してから入力するのが実務的です。顧問契約書にAI利用時の情報取扱い方針を追記し、顧問先に事前説明しておくと後から論点になりにくくなります。
- Q. 就業規則の改定頻度が高い顧問先では、どのくらい時間短縮が見込めますか?
- A. 当社が支援した社労士事務所2社のヒアリングでは、改定案の下書き作成にかかる時間が1件あたり平均2〜3時間短縮しました。ただし短縮できるのは定型条項の差し替えや変更履歴整理などの下書き工程のみで、顧問先固有の労使協議や条文の最終判断にかかる時間は変わりません。下書き工程の比率が高い事務所ほど効果が出やすい傾向があります。
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